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2012年9月 1日 (土)

上海におけるホスピタリティ文化

上海での一般の店舗では、正直にいって日本人の求める接客態度は期待することができません。最初は衝撃と怒りを感じます。
でも現在ではよい接客態度、ホスピタリティが価値あるものだと知る機会が増えています。
それでも旧態依然なホスピタリティを提供する経営側、従業員側にはどんな思いがあるのでしょう。

■ 上海における接客

上海にきて最も大きなカルチャーショックの一つは、その接客態度です。
前回初めて上海にきた時の最初の衝撃はホテル併設のレストランでの朝食時だった。入り口でチケットをもぎる女性からして、けだるそうにカウンターに肩肘をつきながら僕らを迎えました。「ん?あぁ、客か…」という空気を発しています。ホール内には私服のスタッフがこちらもけだるそにウロウロと徘徊しており(徘徊という言葉が適切だった)、あるいは椅子…空席の客席…に座っておしゃべりをしています。

これはすげぇ国にきた、と戦慄したものです。でも一方で、ホテルのグレードにもよるのではないか、という思いもあったのです。事実、その後上海に住むヨメの叔父に連れていかれたレストランではいい接客を受けました。
しかしぼくらだけででかけると、目に付くのは衝撃の接客ばかり。旅行ガイドブックには「素朴な中国人に出会えます」と書かれるのはこういいうことかぁ、と遠い目になりました。

今回の引越し以降レストランに限らず多様な店舗を訪れました。
「仕事をしない」などという生易しいものではありません。「だらしない姿勢」、「携帯のゲームで遊ぶ」、「客がいなければ昼寝する」など…。
日本での「フリーライダー」問題なんてカワイイものです。おいおいまじかよ、といつも頭を抱えながら歩いたものです。

■ 悪人が仕事をしているわけではない

でも慣れてくると違うようにも見えてきます。

それは、「これが良くも悪くも中国人の普通の接客態度」だということです。日本人がこれをやれば悪意を感じますが、中国人の場合はそれが普通なのだ、と気付きました。ベジータみたいなものです(接客態度がよくない、でも純粋)。

「日本を基準にすると」という断りが必要なのです。
中国ではそれが一般に求められる水準であり、それならばそれに応えていればいいわけです。
悪意がないことに、商品について聞いてみると意外に答えてくれます。最初はムスッとしていても、話すにつれて表情がほころんできます。
ある店舗で寝具を購入した時はガヤガヤとおばちゃん店員が集まってきてあれこれ勧めてくれたり、パッケージをほどいて見本をみせてくれました。

…でも、(びっくりするくらい)相手にしてくれないこともあるんだよな。先の寝具売場の事例では、おばちゃん店員たちとは別のグループはかたまって座り込んで携帯をいじったりおしゃべりをしたり…。
やっぱり意図的な低レベルなのかなぁ。ヒト次第といえばそれまでだけど。

■ そごうの接客態度

いちいち気にしていてはこれからの長い上海生活を心穏やかに過ごすことができません。

そんなある日、そごうを訪れました。
上海に来て初めての「日系店舗」です。日本人のDNAです。これは期待せざるを得ません。
…期待は裏切られました(涙)。
その辺の店と同じでした。価格と品揃えだけが高級です。

これはちょっとしたショックでした。
そごうは日本を代表する店ではなかったのか?それがこんなホスピタリティなのか?責任者出てこい(怒)!

■ ホスピタリティが価値のある時代の到来

中国で「(日本人の視点からみる)良い接客態度」が中国で価値のない時代があったことは間違いないでしょう。それゆえ現在の一般の店舗に見られる接客態度があるはずです。決して「中国人はマナーが悪い」といった国民気質論ではないと思います。

しかしこの時代において、とくに国際化がうたわれる上海においてそれは破壊されているはずです。すべての市民が、とはいわずとも多くの市民がいわゆる「良い接客」を受けた経験があり、その価値が根付いているはずです。

ホスピタリティの価値がなかった時代には、たとえば安価であるとか商品の品揃えであるとか、利便であるとかで価値を提供します。
その時代に無理して良い接客を導入することは従業員のトレーニングも困難ですし、顧客がそれに価値を感じないのであれば無駄骨です。
もちろん先駆者としてチャレンジすることは素晴らしいけれど…。

勝手に想像するに、そごうが上海にやってきた時代はそういう時代だったのでしょう。「日本の商品が上海で入手できる」といった価値で勝負していたのかもしれません。

しかし、現在ではよりよい接客を提供する場所が多く存在しています。
たとえばスターバックス、一部のレストラン、新興系のデパート。気持ちのいい良い接客態度です。

その従業員の多くは中国人です。
企業側に信念があれば、接客態度を向上させることができるのです。

■ そごう内に葛藤はあったのか

でも、そごうはそうなっていない。
そのことに、僕は軽い失望を感じました。

そごう内で議論があったのだろうか?
もちろんあったはずです。そのうえで現状の状態があるということは、接客向上を選択しなかったということになります。…これは信じ難いことです。

でも、昔から在籍するであろう多くの従業員を抱えていまがあるそごうです。
文化を改革しトレーニングするためには恐ろしい負荷がかかること想像に難くありません。
もし僕だったらどうやるんだろう?と店舗を見て想像し途方に暮れます。

それでも。
それでもホスピタリティはあげるべきで、それがそごうも上海ももっとよくなる方法なのだと思います。
いつか機会があればそういった部門を統括する人に意見を聞いてみたいものです。


…と散々そごうを槍玉にあげましたが、調べたら中国そごうは台湾資本だそうです。そうかぁ、台湾かぁ…仕方ないのかなぁ…。でもなぁ…。

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プロフィール

  • こんにちは。

    僕はコールセンターでオペレーション部門のマネジャーだった元サラリーマンです。2013年より上海で中医学を学んでいます。
    →2019年の医師試験に奇跡的に合格、晴れて中医師に!
    →就職活動を始めるも、中国ビザ規定では「経験2年以上でないとダメ」、新卒じゃダメじゃん
    →ある外資系クリニックに事務系何でも屋として拾ってもらう(いまココ)

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