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2012年5月20日 (日)

被災地ボランティアに初参加 02オペレーションマネジメント

やっぱりオペレーションについて考えないわけにはいかないのでした。
(あとでも書きますが、先陣を切って活動される方々へは尊敬の念でいっぱいです。そのことに茶々を入れたくて書いたのではないのです)

■ オペレーションマネジメントの視点からみてみる

今回の作業はその性質上人力による作業が適切なものでした。
人海戦術ですから、まとまった人数が必要でもあります。

では、人数が集まれば充分か?といえばやはりほかにも気になる係数はあるのです。
それは「効率性」と、それに導かれる「クォリティ」。

作業に際しては、各チームに団体スタッフによるリーダーが配置されています。
作業内容のアナウンス、道具の貸出の後に作業開始となりましたが、実際の作業は各ボランティアの自主性に委ねられるスタイルでした。
リーダーは休憩時間のアナウンスを行うことがありましたが、作業開始後は自らも作業に従じることがメインのようでした。

事前のブリーフィングでボランティア初参加者が大多数であることがわかったのですが、それにしてはあまり関与しないのだなぁと感じました。

人海戦術系の作業においては、作業者をどこまで上手にコントロールするかで相当なパフォーマンスの差が生じてしまいます。
ボランティアも作業工程も、いずれも多様性があります。統制関与が低ければ、多様性の数だけバラつきが拡大します。

■ 作業工程と作業者のマネジメント

まずは作業工程の観点から。

今回の作業は、(道具や人材や資金の調達はさておいて)1)土を掘り起こす、2)ゴミを取り出す、3)ゴミを分別する、4)ゴミを袋に入れる、5)台車で特定の場所に運ぶ、という工程があります。
それぞれのプロセスに対する人材の適正要因も多様です。1)と5)は体力を要し、2~4)は細かい作業です。全ての工程を一人のボランティアが全て担当するよりも、担当制を敷いたほうが良かったかもしれません。

もうひとつ、リーダーの立ち振る舞いについて。

今回はリーダー自らも作業に集中していましたが、各ボランティアに声をかけるなどの働きかけがあってもよかったのかなーと思いました。

声をかけるのはなんのため?
ひとつはボランティアの個々人の状況・・・疲労度やモチベーション(個人で参加している人が孤立していないか?とか)。そして、作業内容のクォリティ確認です。

事実、作業開始後短期間のうちに作業進捗の個人差がかなり明瞭にあらわれました。
ここでみえた「作業進捗」とは、土を掘りこしすスピードや距離を指すのですが・・・距離が長ければよいわけではありません。ゴミをしっかりと取り除かずに進んでいる可能性もあります。畑を耕しているのではないのです。
(一番タフだったのはこの「1)土を掘り起こす」ですが、これって農作業用機械を使えば人力の比でないスピードで工程を終えられる気もする)

そのような状態への関与が見られなかったことは、意外に感じました。
人によっては自主的に助け合う姿もありましたが・・・主体的な醸造を狙っているのかな?と僕は熱中症になりかけてボケた頭で考えたのですが、そのような健康管理の視点からの監視はハテあったのだろうか?

「手を動かし汗をかき、依頼された作業を行う」ことはすばらしいことです。
現地の方だけではなく日本中から人が集まって、しかも無償で奉仕するなんて。
皮肉なしに、僕は先人である団体の方々を尊敬せずにはいられません。

しかし一方で忘れてはいけないのはクォリティの概念です。そのことがやや冷たく聞こえるのであれば「本来求められる成果」を実現することです。
このことは、作業前のブリーフィングで代表の方が訴える「農業の再開を」へのつながりとなるのだから。

■ 多様性豊かな団体ゆえにいずれの選択も正しいとも

僕みたいなことを考える人は団体の中にいらっしゃるのかもしれないし、かつて論じられた事があるかもしれない。
それが団体内外のステークホルダー間で共感されるかどうか、あるいは実現可能かどうかは別の問題でもあります。

とくにボランティアに集まる人たちの多様性を考えるならば、指揮や管理の度合いが強い団体は反発を受けてしまうかもしれません。
人手が集まらなくなってしまうこと・・・すなわち周りの関心が減少してしまうことは無視できないダメージでもあります。

「写真ボランティア」という腕章をつけて写真を撮影される方がいましたが、あの腕章の存在がなければ「お前もスコップ持って作業しやがれ」という声が上がるかもしれません。
たとえば腕章に「進捗管理者」と書いて、仮にその目的遂行上求められるように歩き回っているスタッフがいても・・・「お前もスコップ持って作業しやがれ」と誰かが言い出しかねない姿は、想像に難くありません。

これまでの経験を通じて現在の方針をどうされるのかは団体の方向性や思想が決めることですし、あるいは対処せずともこのような活動を通じて内外の人々の関心を集めていることは本当に価値のあることです。

■ 被災地復興の今後

今回の地区では重機などを用いる大がかりな作業は収束しているそうで、今回のような手作業を必要とされるものが本当に多く残されているそうです。
バスの添乗員さんの説明では「この1年で進んだのは1%程度」とのこと。「あと10年やっても10%である」と。
今回の作業は、大変地味で、体力を必要として、そのくせ「やったぜ!」というほどの派手さもありません。しかしそんな作業が必要とされている。対応される方々は途方にくれてしまう面もあると思います。

しかし被災地でない人々の抱く印象との差があると思います。
正直、僕は自身の印象とずいぶん違うことを実感しました。

とくに今回の作業現場は、パッと見る分にはガレキ整理の終了したエリアにしか見えないのです。
でも、近くに寄ってみてみれば田畑にはゴミがたくさん埋まっている。それがある限りは農業を再開できない・・・つまり、農家の方は「シゴト」をできないわけです。
ReRootsの方の言葉を借りるならば、「会社に勤める人は会社にいけばいいけれど、農家の人はまだ職場が出来てない」。

そうはいっても、この1年での復興進歩は「1%」の言葉以上の成果があるものだと思います。
現場近くの河川敷では、ジョギングを楽しむ人や子供をつれて歩くお母さん達の姿がちらほら。あるいは「パパラパラパラ」と爆音で走るバイクにのった小僧達(笑)。
現地に住む彼ら彼女らは、震災当時はそんな日常が戻るなんて想像もつかなかったことでしょう。それが戻ってきていることはすばらしいことで、その要となったボランティア団体や個人の人たちの働きもまたすばらしいものです。

「できるだけ多い頻度で現地にいって作業するぞ」とはいえませんが、引き続き関心を向け、募金などを通じた持続的な支援を行いたいとあらためて思いました。

【関連サイト】
なの花交通バス 今回のボランティアツアーの主催会社(添乗員さんが超丁寧)
なの花交通バス / 今回参加したツアーの紹介サイト
ReRoots 今回の作業をアレンジしていただいた団体

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プロフィール

  • こんにちは。

    僕はコールセンターでオペレーション部門のマネジャーだった元サラリーマンです。2013年より上海で中医学を学んでいます。
    →2019年の医師試験に奇跡的に合格、晴れて中医師に!
    →就職活動を始めるも、中国ビザ規定では「経験2年以上でないとダメ」、新卒じゃダメじゃん
    →ある外資系クリニックに事務系何でも屋として拾ってもらう(いまココ)

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