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2012年4月 8日 (日)

コールセンター 入社から退職まで(2)個人からチームへの視点変化

入社まもなく、僕はそれまでの経験から「個人スキル獲得の追及」が道をひらくという考えを持っていました。
しかし、やがて限界をしり、「いかに人を巻き込んで動くか」へ関心が移っていきます。

■ 入社まもない「個人スキル獲得の追及」

僕はコールセンターにやってくる前はCG映像製作や広告制作といったデザイン畑でした。
それぞれの職場で製作実務のほか進行管理を行ったことはあるけれども、比重はデザイナーとしての立ち回りが多く、いかに個人として力量を発揮するかが問われていました。

コールセンターにやってきてからも、その志向は原則変わりませんでした。
立上げ期の部がどこもそうであるように、一人で複数の役割を行わなくてはなりません。
オペレーション部門に所属する異なりましたが、当時は営業部やシステム部の存在感が希薄だったこともあり、なんでも貪欲にやりました。

入社後に担当することになった業務(ホスティングのヘルプデスク)はまだまだヨチヨチ歩き・・・というか見切り発車したばかりの状態でした。オペレーションが始まっているくせにクライアントと要件定義をするために外出して会議をし、帰社後自ら電話を受けつつマニュアルを書き起こしているような日がしばらく続きました。

しかし当時の僕にとってはそれまでのデザインとは異なる仕事が面白く感じたものです。「業務要件を定義する」は未経験といえるものの、designとしての筋は大差ないものと考えて意欲的に取組みました。また、以前からプログラムも少々かじっていたので、業務用のツールを独自に開発して運用に生かしました。
ある単発発注の業務では、phpを用いてプログラムを作成して作業を自動化。受注当時営業部が見積もり試算した金額(人力作業を想定して提出していた)を大幅に下回るコストで納品を果たして、楽しんだものです。

それらのノウハウは、やがて後続で合流するほかのスーパーバイザーに受け継がれ、彼らのチームで生かされたものでした。そうでないものもあったけれども。

また、当時は実務こそ行う機会はありませんでしたがビジネスフレームワークについて広く書籍をあたっていました。「実務を通じて得た経験」だけでなく、書籍から全体を俯瞰する視点を獲得しようと務めていました。

実はコールセンター入社当時は、以前滞在していたオーストラリアへいつ戻ってやろうかと考えていたのですが、(まぁ金銭面などの理由もあるのだけれど)いつしか「ビジネスマンっちゅーやつになったろうやないか」と志向が変化していました。

■ 「いかに人を巻き込んで動くか」への転向

必要と思われることは、自分が第一につかみとって習得する。

入社後月日が流れるにつれて部内の部下や同僚、あるいは他部署との連携が必要とされる場面が増えてきても、それはあまり変わりませんでした。
しかし、「スーパーバイザー」であることにも少々退屈してきた様子もありました。

僕がそれまで所属していたチームは既に(年功序列的に昇進した)マネジャーがいました。僕がマネジャーになるには彼を消し去るか(笑)、僕がマネジャーとして台頭するべく別のチームをリードする必要があったのです。

異動先のチームは、確かに存在していました。当時立上げが行われているチームでした。
そのチームは、当時相当に炎上していることで社内にその存在を知られており、火消し役を必要としながら誰もが関与に及び腰になっていました。
僕は当時の所属チームにいながら、そのチームを援助するプロジェクトの進行管理も行っていました。その炎上の熱気をかなり間近に感じており、恐怖を覚える一方で、「いいチャンスだぜ」とも思っていました。

そんなわけで、上司と相談した結果僕はそのチームに異動することとなりました。
問題点は明確でした。「要件定義があいまいであるがゆえに幅広くやろうとして失敗している」、「業務に必要な基礎知識がオペレーターに浸透していない」、「ツールのインターフェイスが応対時間を上長かさせている」などなど。僕はそれらの問題点を改善するミッションを携えてチームに飛び込みました。

「問題点が明確であれば、解決されたも同然である」。
問題解決のテキストでよく言われる言葉です。
・・・それは真実か? 答えはNOでした。

問題点を洗い出すことと、結果を出すことの間には無数のプロセスが存在する。そしてその数だけのノウハウが必要である。そのことを僕は知り、それまでのやり方ではまったく通用しないことを知りました。当時の衝撃は相当なもので、愕然としたものです(今振り返れば当たり前なんだけれど)。

当時の現場を解決するための切り口は様々あったでしょうけれど、僕の立場において最も求められたのは「いかに人を巻き込んで動くか」でした。

コールセンターは、労働集約産業です。ヒトリソースに多くの比重を置きます。ヒトは複雑です。
それぞれが独自の価値観をもって行動しています。自らの思考が正義と信じそれを貫く人もいますし、あるいは残念なことにその価値観が悪と知りながらも改められない人もいます(退職していただいた方も少なくありません・・・当時は採用基準が低かった時期もありました)。

自ら行動して問題点をピックアップし、企画し、提案する。得るべき立場の人間に承認を得る。プロジェクトを発動する。・・・そして、停滞する。その繰り返しでした。
最初は「コイツら、炎上を助けに来たオレになんの仕打ちだ」と憤慨したものですが、やがて僕自身も改めるべき点があることを学び、試行錯誤が続きました。

あるいは「個人スキル獲得の追及」を続ける選択肢もあったのかもしれません。
しかし、合流後、業務や運用の知識を獲得した僕を見届け、スーパーバイザーが力尽きるように退職していきます。誰もが体調不良を理由に退職していきました。
合流当時に比べてマシとはいえまだまだ炎上状態。押し上げられるようにして僕が先頭に立たざるを得ない環境となりました。
また、オペレーション部門だけでは問題解決を行うことは出来ず、他部署スタッフとの連携が求められていました。他部署ですから、僕の部下ではありません。そんな彼らをいかに巻き込むか??

こうあっては、孤軍奮闘を気取るわけにもいきません。
かくして「いかに人を巻き込んで動くか」をメインテーマとするようになったのです。

しかし、これもある種のチャンスであると考えました。
実践の場を与えられるならば学び習得を追及できます。
また、そもそも僕がこのチームに乗り込んできた理由「マネジャーになる」ためにはいつかは通過しなければいけないステージだったのです。

もちろん「マネジャー」たるもの、ほかにも習得しなければいけない知識は(いやになるほど)数多くあります。
しかしこうした理由で、とくに「いかに人を巻き込んで動くか」を追求することとなりました。

(つづく)

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プロフィール

  • こんにちは。

    僕はコールセンターでオペレーション部門のマネジャーだった元サラリーマンです。2013年より上海で中医学を学んでいます。
    →2019年の医師試験に奇跡的に合格、晴れて中医師に!
    →就職活動を始めるも、中国ビザ規定では「経験2年以上でないとダメ」、新卒じゃダメじゃん
    →ある外資系クリニックに事務系何でも屋として拾ってもらう(いまココ)

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