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2012年3月 8日 (木)

上海旅行と、接客態度に見る文化の差

3月3日~6日にかけて上海旅行に行ってきました。
今夏からの引越しに向けて下見と、現地に住む台湾の親戚の挨拶を目的とした旅行でした。

上海旅行 浦東

これまでオーストラリア、台湾へ海外旅行した事があります。
オーストラリアには一年弱住んでいたし、台湾は嫁の実家ということもありローカル感覚あふれる経験をしています。海外文化に、日本と差があることはよく理解していました。
しかし今回の旅行で、僕の知る「差」は大したものでなかったのだと痛感しました。

中国は、それはそれは日本と異なる国でした。
大げさに聞こえるかもしれませんが、それは「衝撃」といってもいいものでした。
(もちろん、中国以上に日本と異なる国は存在するに違いないのですけれど)


■ 接客態度が、あまりに違う

「差」といっても様々ですが、僕がかつての職業柄もあって目を避けることが出来なかったのは、接客態度でした。

まず、ホテルのレストラン。
旅行初日が深夜到着であったこともあり、朝食の場が「上海のヒトたちと間近に接する」機会となりました。いきなり横っ面をはたかれた思いでした。

朝食はホテル併設のレストランでビュッフェ形式の食事です。
受付の女性、食事の残り状況を確認するスタッフ、食事を終えた客の皿を下げるスタッフ、目玉焼きを客の前で調理するシェフ、その他雑用のスタッフ・・・。
だーれもが、基本的におしゃべりをしている。しかも、相当な音量で。

とくに、あるボーイから目が離せません。
寝グセがはねた髪の毛、寝ぼけマナコ。食事の残り状況を確認(トングでコチョコチョくすぐっている)、一定時間ごとにフラフラと回遊しては、去っていきます。
ユニフォームを着ていますが、それは上着だけ。足元をみれば泥のついたスニーカー。そしてジーンズ。

全身がユニフォームのスタッフはいませんでした(そもそも支給されていないのかもしれない)。
全身私服のスタッフもいます。最初はスタッフと客と話しているのかと思ったら、彼もスタッフだった。目玉焼きを作るシェフが私服なのには、もう呆然としてしまいました(笑)。

おしゃべりは、話し相手の距離を問いません。
遠くにいる同僚に「おーい(中国語)」で声をかけ、そのまま会話が始まったりします。
規範になってよさそうな年配の女性スタッフも、つまみ食いを目撃。

一方で、書店。
(異国の大型書店をめぐるのが僕の趣味。どんなタイトルが売れ行きなのか見たかったのと、中国語素材を求めて訪れました)

村上春樹の短編小説の中国語訳を探してみるも、欲しいタイトルが見つかりません。スタッフに中国語で聞いてみると『そこになければないよ』と一言、僕が何か答える前にプイッと横を向いてしまいました。

本棚の整理をするスタッフ。
棚から本を抜いては、近くのカゴにバッサバッサと放り投げています・・・。
もちろんスタッフはおしゃべりが基本です。柱に寄りかかってガムをかみながら、それは楽しそうに話しています。


日本の感覚で見ると、信じられない光景でした。
日本でこれが横行していたら、瞬殺されているレベルです。

■ マトモな接客もある、でもなぜ違う

しかし、どこに訪れてもそんなヒドイとこばかりではありません。
(いや、ヒドイところが「基本」ではあるんですけれど)

空港のカウンターは丁寧です。
ホテルも、フロントはまぁまぁ真面目です。
書店内に併設されるスターバックスはとても丁寧(ヨメいわく「感動した」。そしてとても高い)。

僕は不思議に思いました。
ホテルの場合、フロントもレストランも同一雇用主ではなかろうか?

レストランのサービス水準が中国の現在の水準であるならば、フロントには意識して接客マナーを指導させているはずです。なぜ、レストランにもそれを求めない?
雇用主は、フロントのサービス水準とレストランのそれとには相当な開きがあることを認識しているはずなのです。

場所を問わず、業種を問わず、どこも低水準であるならばわかりますが、そうでもない・・・。
つまり、何かが理由となって、高水準(というのもアレだけど)を提供することが出来ているんです。その「理由」ってなんなのでしょう。

報酬体系?雇用体系?それらも理由だと思います。
もうひとつは、「環境」なのかなぁ、と思いました。いいかえれば「空間」、「世界」。

フロントにしろ、スタバにしろ、わかりやすくは飛行機内というフライトアテンダントにしろ、そこには「世界」があります。その世界が明確に設計され、認識させることに成功しているかどうかがカギなのかな?

僕は前職でそのことにさまざま腐心していたこともあって、今回の旅行中ずっとそんなことを考えていました。
あらためて上海に引っ越したあとに、実際に聞いてみようかなぁ。「どうしてあなたは、そんなにいいサービスを提供できるのですか?」と。

■ 「異様」な空間

あっという間に帰国の日となりました。
ホテルから空港に向かうバスが高速道路に入ります(ちなみに交通マナーも相当悪い)。

その高速道路は到着初日も通ったところでしたが、深夜だったので真っ暗で何も見えませんでした。朝日に照らされた街の光景が、高速道から見下ろせます。
霧なのか、空気が悪いのか、もやの向こうに見える風景、その第一印象は「・・・ガレキが多い」でした。

上海は再開発がどんどん進む街です。
古い住宅街は立ち退きを迫られ、近来的な建物に建て替えられていくと聞きます。

その第一工程「旧建築物の撤去」の光景なんだろうか。
しかし、なんだか日本における印象とは異なります。
撤去というよりも、破壊?崩壊?まるで、爆撃を受けたように一部が崩れ落ちている建築物が目立ちます。怪獣が現れ、建物をつめで削り取ったような。
あるいは、大げさでなく、3.11を思い浮かべさせるようでもあります。

しかし、そのスキマにひょっこり人の姿が見えます。
その削られた建物の脇で、かろうじて残った屋根のある空間に人が・・・生活している。
ホームレス?いや、違う。あれはホームレスが住み着いたわけではない。
「削られていない建物」は、おそらく、まだ立ち退きを完了していない住宅なのではないか?立ち退き完了した建物だけが、削られているのではないか?

そんな思いをめぐらすのは僕だけではありませんでした。
バスの中は日本人だけですが、ドヨドヨと声が上がります。
わぁ、と声が上がる。人がいる、と驚く。あれは・・・いや、まさか?

そうこうするうちにバスは走り、そのガレキエリアもやがて見えなくなりました。
そしてバスは空港に到着します。そこはきれいに掃除された、近来的な建物です。
マナーのいいグランドアテンダントがチェックインを受付けてくれ、(それに比べると横柄な・・・日本でもそうだけど)荷物検査や出国審査を経て搭乗します。
機内にて、あるおばちゃんが旅行仲間につぶやきました。「あぁ、やっと現実に戻るんだねぇ」。

「現実」ってナンだよ、と思いましたが・・・緊張が一気に抜けている自分に気づきました。

***

僕の今回の上海旅行は、上海在住の台湾人にエスコートされたものでした。
僕が目にした「上海」は、ほんの一部でしょう。
夏に引っ越したあとは、(治安に充分に気をつけながら)自分の足で歩き、話し、もっと知りたいと思います。
そのことを考えるとドキドキですが・・・それは希望であり、不安であり。

彼らの接客態度にみる「日本と比べてよくない」価値観に飲み込まれてしまいやしないか??それは、特に不安・・・。


最後に小話。
上海では、コンビニでもスーパーでも、書店でも、購入後の袋が有料でした。
最初、会計を終えた商品をそのまま渡してきたので「あれ?袋は?」とたずねると有料との回答。
世界有数の環境汚染国でありながら、このエコ魂・・・。ヘンな国です、中国は(笑)。

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プロフィール

  • こんにちは。

    僕はコールセンターでオペレーション部門のマネジャーだった元サラリーマンです。2013年より上海で中医学を学んでいます。
    →2019年の医師試験に奇跡的に合格、晴れて中医師に!
    →就職活動を始めるも、中国ビザ規定では「経験2年以上でないとダメ」、新卒じゃダメじゃん
    →ある外資系クリニックに事務系何でも屋として拾ってもらう(いまココ)

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