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2010年4月 5日 (月)

『孫正義LIVE2011』が僕のココロを動かし、あるいは疑問に思ったこと

ネット上のあちこちで大絶賛されている『孫正義LIVE2011』。
新卒学生向けの会社説明会で公演された彼の半生記、「志高く」の生き方に多くの人が感銘を受けたようだ。

僕も心揺さぶられた1人だ。
とくに学生時代のエピソードは、すさまじい。片時も教科書を離さず、トイレも、食事中も、常に勉強に励んでいたという。ただ勉強するだけではない、アウトプット(発明や他大学院からの誘い)も果たしている。

対して、今の僕の生活は存分にパフォーマンスを発揮する努力をしているのか?この生き方でいいのか?
僕も含め、多くの人に一石を投じ、様々な思いをもたらしたことだろう。

しかし、僕に最も強く印象づけたのは「ちょっと功績を独り占めしてやいないか?」という思いだった。もし彼を孫正義と知らずに対面でこの話を延々とされたら・・・僕は顔をしかめずに聞き続ける事ができただろうか?


孫正義LIVE2011』ではソフトバンクがたどったチャレンジの数々が語られた。
無謀ともいえるチャレンジは、いずれも「志高く」の精神により行われたものだ、と。

「情報革命をもたらす」という大指針の下に決断されたプロジェクトが紹介される。
世界最大展示会コムデックスの買収、Yahoo!BBによるブロードバンドのインフラつくり、vodafoneの買収・・・そして、最近では基地局倍増計画。
反対する役員たちの意見を「志高く」で退け、抵抗勢力に挑みながら、プロジェクトを進めた結果、それらは成功し、僕らに恩恵をもたらした。
「志高く」万歳! すばらしき決断力、強靭な意志!

その強烈な芯の太さは、僕なんぞは到底たどり着けない境地で、尊敬を通り越して恐怖すら覚える。その点においては、僕はネット上のみんなと同じ感想を持つ。

しかし。このスピーチは、「孫正義が頑張ったからできたんです」という風に聞こえた。自慢話のようだな、と。
(まぁ、あれだけのことをやっていらっしゃるのだから、自慢しても文句ないけれど)

孫正義の決断は、間違いなく多くの社員に(あるいは関連する他企業・・・NTTですら)に多大な波乱をもたらしたはずだ。そのことへの感謝が一切語られていなかった。あたかも「孫正義の決断」→「完成」のようだ。その裏に何が起きていたのかはスピーチからは伝わらなかった(ちょびっとだけ、Yahoo!BBの件でグチャグチャに翻弄されるスタッフの姿が語られた。でも、ホント、ちょっとだけ)。

僕の職場では、計画を実際に実施するのはスタッフのみんなだ。彼らなしには計画は絵に描いた餅だ。彼らには感謝を伝えて、伝えすぎることはない。
でも、それって他の職種でもそうじゃないだろうか。ソフトバンクの挑戦がとてつもなく大きなものだったのならば、なおさらの話だ。

強烈なチャレンジなだけに、失敗は許されない。
彼の決断を実行するために頑張った人たちがいる。事前にしろ事後にしろ計画を立案した人たち、その実現を目指して働いた人たち。それらを言及せず、「決断がすげぇ」とスピーチするのはフェアじゃないな、と思ったわけです。

「正しい決断をする人が高貴である」、それもひとつの事実かもしれない。でも、仕事は決断をする人だけでは回らない。みんなが船長では、船はすすまない。そのことが言及されないのは、とても疑問だ。

スピーチのテーマが違う。あるいは、それは違う人が言及すれば良い。
・・・そういう感想を持つ人もいるかもしれない。しかし、そんな舞台裏を説明することも、今回の場・・・すなわち会社説明会では、社長自ら伝える必要があったのではないだろうか。仕事とは共同作業である、というマインドはとても大事だ。

・・・といいつつ、仮に彼がその思想をもっていないとしても、それもアリでしょう。
確かにチームワークは重要ですが、孫さんに欠落しているとしても、彼はそれを補ってあまるほどのアウトプットがあるからだ。
ソフトバンクほどの大企業で、人材に恵まれている会社ならば、「ついてこれるヤツだけついてこい!」でも、自らエネルギーを生み出して追従する人は後を絶たないだろう。
ただ、大所帯だし、計画を遂行する社会的責任もある。役割としては求められるし、その重要性はやっぱり語られるべきだ

スピーチの時間は限られているだろうから、「決断」と同じボリュームで語る必要はない。短い言葉でも、テーマを混乱させることなくその重要性を伝えることはできたはずだ。
講演の最後に言及された「company」の語源をもとにしたエピソードは、それとはちょっと違う。

僕には、そのことがとても強く印象に残りました。

***

一方で、彼のスピーチは僕に強い反省を促しました。
今の生活サイクルが、胸をはれるものなのか?という反省です。

年の初めの1月には、それなりに計画を立てたのです。
孫さんの「志」には及びませんが、僕なりの高さの「志」をもとに立てた計画です。

しかし、それを全て達成できているのか?
まぁ仕事をはじめとして周りの環境が計算どおりにいくことはありませんから、遅れ等生じるでしょうが、では、その挽回に最善を期しているのか?
・・・スミマセン!できていません!

今回、そのことを頬を張られたように気づくキッカケを得ました。
彼のスピーチは、そんな影響を多くの人にもたらしたことでしょう。

***

僕は孫さんが語る西郷隆盛のような精神はもてません(「金も要らなきゃ名も要らぬ、まして命もいらない輩は手に負えない」)。
仕事を通じて社会貢献をしたいという気持ちはあります。でも、プライベートの充実なくして、仕事の成果は出せないと考えています。僕は充実した余暇が欲しい!トレイルランに出たいし、そのためには練習の時間が必要。嫁と一緒にいる時間だって欲しい。彼女のシアワセなしには、たとえブロードバンドが日本中に普及しても、僕は満足できません。

そんな僕ですから、孫さんの価値観とは同じ生き方はできないけれど、彼の生き方には感服してしまいました。日本では一般には「携帯電話と野球の会社」といった認知度しかありませんが、IT情報革命を日本にもたらした方です。世界に誇れる方だと思います。

孫さんのようには器の大きくない僕ではありますが、せめてスピーチ中の発言「愚痴をいうな、愚痴は器を小さくする」は心に深くとめおこうと思いました。


【関連ページ】
孫正義LIVE2011 Ustreamにアップロードされている映像。4月5日までの公開だそう。
孫正義、【志】を語る。「孫正義 LIVE 2011」書き起こし(その1)
スティーブ・ジョブズのスタンフォード大学での卒業式スピーチ (比較に出されますが、僕はこちらのほうがみじかくまとまっていて好きです)
幻想曲 孫正義とソフトバンクの過去・今・未来 孫正義半生記。ドロドロしたことも書かれています。

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